基礎科目
リハビリテーション科学特論
リハビリテーション医療の中核をなす理学療法や作業療法においては近年EBM(evidence based medicine)が強く求められている。このためリハビリテーション医療分野における基礎医学である生理学分野、臨床応用分野及び健康増進分野の最新動向を学修し、リハビリテーション医療や福祉分野における高度専門職業人としての必須の知識と研究方法を理解する。
公衆衛生学特論
公衆衛生学は健康にとって有害な社会環境要因、ライフスタイルを変化させることにより、人々の健康と生活の質を向上させ疾病を予防することを大きな目標としている。従って、本講義では広く人の健康に関わる社会環境要因の役割と健康や疾病関係について学ぶとともに、国や地域など集団レベルにおける健康上の課題把握と健康障害の予防、健康増進のために必要な知識と考え方、方法論について学修する。特に人々の健康づ くりにおいて身体活動・運動が果たす役割とその意義について学び、運動疫学の観点から問題解決の提案を行う。
研究倫理特論
人を対象とする研究においては、研究対象者(被験者)への適切な配慮ができることが不可欠である。また昨今、研究不正行為が次々と明らかになり、研究者の社会的信用が危機に瀕している。このような状況の中すべての研究に従事する者は、研究倫理を身につけることが社会的に求められている。この授業では、人を対象とするリハビリテーション部門の研究に必要な研究倫理について学修する。
プレゼンテーション技法
自己の研究について専門外の人にもわかるよう、写真、図、表等を用いて視覚的効果のあるプレゼンテーション方法を学修する。また、日本語及び英語によるプレゼンテーションについても経験する。
保健福祉政策論
わが国の保健福祉政策は、高齢者人口の急増による年金・福祉・医療・介護等の需要が増大する中、今後どのようなサービスを維持するかが大きな課題となっている。この授業では、わが国の社会保障制度改革の方向性や、諸外国の医療・福祉事情、そしてわが国で今後予定されている「地域包括ケアシステム」と、地域リハビリテーションの課題等について理解を深める。
統計学特論
研究で得られた事象に対してある判断を下すときには、統計学の理論を用いた普遍的な判断基準が必要不可欠である。本講義では統計学の主要概念、基礎理論、医療系科学領域の研究に用いられる統計解析方法について学習する。また、研究課題に適した統計解析方法を選択し、統計解析ソフトを駆使して分析し、結果を正しく解釈する方法を学習する。
リハビリテーション管理学特論
患者に安全・安心な医療を提供するには、経営の合理性と臨床的な合理性の両立が必要である。このため昨 今、医療現場における経営の視点が重要視され、職種に関わらず医療に携わる者は、それぞれの立場で現場の運営を効率的かつ円滑に遂行することが求められている。また、医療の質向上には臨床研究が不可欠であり、研究倫理に関する基本的理解が重要である。そこで効率的な組織運営に不可欠なマネージメントの視点により、医療の質を高めるにはどうしたら良いか、個と集団の関わり、患者中心のチーム医療の重要性、研究者に求められる基本的研究倫理教育等について学ぶ。