リハビリテーション分野には、理学療法士や作業療法士、その他の医療職のほか、福祉･心理･教育･スポーツ等の多分野の専門職が関わっています。厚生労働省は施設から地域への流れを一層加速させ、可能な限り住み慣れた地域で、その人らしい暮らしを人生の最期まで続けることを支えるための｢地城包括ケアシステム｣の構築を、2025年を目標に推進しています。

　この施策を背景に、リハビリテーション分野には、｢疾病や障害の基本的理解｣を深め､｢失われた機能の回復｣に対処するばかりでなく､｢機能が失われる前の予防的な対応｣をより一層強めることが求められています。また、住民との連携や多職種の協同によって地域の関係づくりにパワーを発揮する誠実なコミュニケーション力も不可欠であり、日々の研鑽が必須です。

　｢障害の有無に関わらず、老若男女すべての人々の健康と幸福を実現する社会｣を築くため､リハビリテーション科学専攻は理学療法士・作業療法士や、その他の多職種の多様な価値を意見交換し、切磋琢磨することで得られる学術的深化を追求し、ひいては未来に向かう創造的な研究成果を地域社会に広く還元することを目指します。合わせて、国際社会にも開かれた意識を持つ人材の育成を指向しています。