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気候変動、紛争、難民、感染症そして戦争。21世紀の世界は、目まぐるしく立ち現れる危機と増大する不透明性や予測不能性にあふれています。同時に、SNS、AI、ロボット、自動化などの急速な技術革新が、「人」や「生命」そして「幸せ」のカタチを変化させ、人間とは何なのかを問いかけています。私が学んだドイツのリスク社会論は、危機の「危険」の中に「変化」の「機会」を見出します。国際学部は、この一見難しい時代の先にある豊かな未来の可能性を信じ、幅広い視野から現象の本質を洞察する、世界で活躍し地域に貢献する知性とスキルを兼ね備えたしなやかなgenerations of tomorrow(明日の世代)を育成するために設立されました。
私たちは、この新しい時代に活躍する人材を育成するために、多くの学問分野や教育アプローチを横断する新しいカリキュラムを作りました。まずは、世界を理解し世界の人々とつながるためのスキルとしての英語、中国語の両方を1年次から勉強し、3年次には教養としてフランス語、朝鮮語、ロシア語から選択して学べます。また、ビジネスや論理的思考に不可欠な実用日本語も徹底的に習得します。将来のキャリアを考える授業やインターンシップを1・2年次に配置し、早期から社会人基礎力を身につけ卒業後の進路を支援します。
地域や世界の現場で学び考える、体験型学習も国際学部の大きな特徴です。1年次に地域や観光の可能性を探る「アウトドアツーリズム研修」「ニセコ国際研修」は、インバウンドを事例に地域を広い国際社会や異文化の視点からも考え、そこでの気づきは2年次の海外「短期語学研修」や、3年次の「地域連携プロジェクト」さらに4年次の「卒業研究プロジェクト」へとつながります。国際学部のある北海道の自然や文化の豊かさを教育に生かした「北海道スタディーズ」も地域から世界を考えるユニークな取り組みです。
国際学部には、個性的な2つの学科があります。国際教養学科は、政治・経済を中心とした社会科学やグローバル・スタディーズの視点と、世界の各地域・各国の社会・文化の研究を組み合わせて世界と地域の課題解決に迫ります。国際コミュニケーション学科は、高度で実践的な英語・中国語をベースに、対人・異文化コミュニケーションの力で国際的ビジネスシーンでの活躍を目指します。いずれの学科でも、4割以上が海外出身の国際的な教授陣の繰り出す多彩な教育から、自分の関心やテーマに沿った学びで世界を広げ、学年が進むにしたがって本物の学びを深めることができます。イギリス文化をイギリス英語でイギリスの人から(もちろんアメリカも)、中国文化やアジア・アフリカの事情を中国の人や各国在住経験者から、地球環境を気候変動外交の専門家から、開発援助をJICA海外協力隊から学びます。私たちの教育は「世界基準」の「本物」に徹底的にこだわります。
今日とは違う世界で、異なることばや地域とつながる、明日の違う自分に出会いたいあなたに、そんなあなたの未来のために国際学部の扉は大きく開かれています。
国際学部長 青 晴海